woodenvalleyのブログ

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不可能と言われた林檎

不可能と言われた林檎の無農薬栽培に挑戦した木村秋則さんの物語は、もし成功していなければ悲劇でしかなかっただろう。只成功したから良かったと簡単に言えるものでもない。木村さんは光に辿り着くまでに死を覚悟する程あまりに長くて暗いトンネルを歩んでこられたし、今木村さんを照らしている光は人類最高の栄誉とも呼べる、全宇宙から注がれているかのような奇跡の光である。事実は小説よりも奇なりと言うが、個人的にこの事実は大切な教訓が隠されている昔話やお伽話の部類のように感じている。

林檎農家の木村秋則さんは、自然環境の為、何より散布する農薬に苦しむ愛する妻の為に無農薬栽培を決意する。そして仕事、学びへの愛情が木村さんと無農薬栽培を深く結びつけていった。しかしと言うのか得てしてと言うのか、木村さんの情熱の高まりとは反比例する形で、彼に対する周囲の言動は度を越えたひどいものになっていった。人類未到達の挑戦は理解されない苦しみがあったが、木村さんはその事も理解していたので、木村さんは他人への愛情、礼儀を忘れた事はなかった。木村さんは無農薬栽培に励む中で、林檎は勿論の事、生物ひいては害虫まで愛情が生まれた。木村さんは愛の人であり、その事が奇跡だった。すべてのものが彼に引き寄せられていった。しかし表面上事態は一向に好転しなかった。むしろ状況は悪化する一方で、木村さんにはこれ以上の打つ手が無くなってしまった。そして彼はすべての責任を取る為に命を絶つ決意をした。真っ暗な山の中をぶら下がれそうな木を探して彷徨った。木村さんはこれと決めて首を吊るためのロープを木に枝に投げた時、大きく手元を狂わせてしまった。そしてそのロープを拾いにいった方向にぼんやりと輝く林檎の木を見つけた。よく見るとそれは林檎の木ではなく胡桃の木だったが、自然の山の中でも健康に美しく成長する姿に大きな衝撃を、そして胡桃の木を取り巻く自然や土壌にインスピレーションを受けた。そして木村さんは、自分の畑に反映して繁栄させる事に成功して、林檎の無農薬無肥料栽培を実現させた。私は、この事実は神様も木村さんに引き寄せられた結果なのだと強く信じている。そして、この美しい愛の物語であり素敵なおとぎ話が、永い年月をかけてたくさんの未来ある子供達に読み聞かせられる事を切に願う。

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