フラフラ生きていた
フラフラ生きていた自分を、家族はみんなずっと心配してくれていた。
成人してからもいっこうに身を固めようともせず、仕事もコロコロ変わり、何の危機感も無く、ヘラヘラしていたのだから当然過ぎる話だと思う。
しかし父だけが、あいつは大丈夫だ、あいつは大丈夫だからほっといてやれ、と自信を持って言っていた。
根拠という根拠もなかったし、家族は誰も納得しなかったが、みんなは従うしかなかった。
自分は自分で、認めてくれて助かるくらいにしか当時は思っていなかった。
父はなぜ大丈夫だと思ってくれていたのだろう。
せめて夢の中でも嘘でもいいから、一緒にお酒を飲みながら聞いてみたい。