30歳になるまで
30歳になるまで自分の将来に先はなかった。
楽な夢だけを見て、才能も実力も無いのに努力もせず、都合の悪い事からは逃げ、結婚の願望も無く、将来に展望がなかったし、持つ事も出来なかった。
悪い事が重なった事が転機になった。どん底に落ちた事も、取り返しのつかない時期に来た事も良かったのかもしれない。
幸運にも動き出している最終列車に何とか飛び乗る事ができた。暗闇の中遥か前方に微かな光を確認する事ができた。
私のように甘えきった人間にとっては、戒めとして、危機感として、取り返しの期限を決め、最終列車の時刻を設定する事は切に大事だ。
しかし人生諦めない限り、また歩み続ければ、列車が運行する駅にたどり着けるし、真夜中でも臨時列車が通過するかもしれない。
そして私のように、呆れる程情けない自分でも正しい道を示すコンパスになるかもしれない。見下され這いつくばった経験も正しい道を歩き続ける追い風になるかもしれない。