フラフラ生きていた
フラフラ生きていた自分を、家族はみんなずっと心配してくれていた。
成人してからもいっこうに身を固めようともせず、仕事もコロコロ変わり、何の危機感も無く、ヘラヘラしていたのだから当然過ぎる話だと思う。
しかし父だけが、あいつは大丈夫だ、あいつは大丈夫だからほっといてやれ、と自信を持って言っていた。
根拠という根拠もなかったし、家族は誰も納得しなかったが、みんなは従うしかなかった。
自分は自分で、認めてくれて助かるくらいにしか当時は思っていなかった。
父はなぜ大丈夫だと思ってくれていたのだろう。
せめて夢の中でも嘘でもいいから、一緒にお酒を飲みながら聞いてみたい。
取り急ぎ試験に
取り急ぎ、試験に合格した事の報告。
ただの資格では無く、次のステージに上がる為の切符であり、生きる為のライセンスなので本当に嬉しい。
まず、支えてくれた家族、見守ってくれた大切な友達、関係各位や健康で日々を過ごさせてくれている何か偉大な力にも感謝の気持ちを伝えさせていただきたい。
そして何より父に感謝したい。
父は本当に仕事で苦労する人生だった。晩年でさえどろどろになりながら、大変な仕事をしなければならなかった。その事について当時は自業自得だと思っていたし、冷たくしてしまったところがあった。心の奥底で父をどこか馬鹿にしてたところがあったと今は思う。
それでも、夢の中で父はいつも見守っていると言ってくれた。汗水を流し、必死で頑張ってくれていたように、必死で応援して背中を押してくれた。
そのおかげで試験に合格した。
父の子供である事を誇りに思っている証明として、また、父も境遇さえ整っていれば難関資格も取得出来たんだと示したかったので、どうしてもこの試験には合格したかった。
自分のエゴもたくさん入っている。
自分の力は微力でみんなの支えがとても大きかった。
それなのに合格させてもらった。
みんな、ありがとう。
お父さん、ありがとう。
人は一人で生まれて
人は、一人で生まれて一人で死んでいくといったりする。それだけ聞くと、とても孤独ですごく寂しい感じがしてしまうが、決して間違っていないのも事実だと思う。むしろ人間は誰しも旅人だと思ったほうが、自分としては心が楽になってくれる。全ての人が旅人であるから、たとえ我が子であっても、自分の子供だからといって分身と勘違いしてしまい何事も押し付けたりする事なく、しっかりと一人の人間として尊重する事が出来る。いつも寄り添ってくれる絶対的な友であっても、それが当たり前に感じる事なく、途方もなく大きな御縁に感謝しいつもかけがえない存在として認識する事が出来る。今生の別れをしていった人たちにも、枯れる事のない涙の中であっても新たな旅立ちに対して幸運を祈る事が出来る。またいつか必ず出会えると思う。どれだけの時間を過ごしてきたのかは分からないけど、それだけを信じて、楽しみにして今まできたから、限られたこの僅かな時間の中で、大切な人たちとこうして今ずっと一緒にいるんだと思う。
人生が大きく変わろうと
人生が大きく変わろうとしている。今のキャリアを大きくステップアップさせる為の、重要な資格試験が目の前に迫っている。そのタイミングもあってか、転職してからが思い出され、様々な思いが入り混じってしかる胸の中で、くっきりと浮き彫りになる感情がある。これは試験に合格した時に記そうと思っていたが、試験合格日に生きている保証はないので、それはやめる事にする。
家族がいてくれて良かった。子供を授かることができて良かった。結婚して良かった。子供が無事に誕生してくれてよかった。子供が元気に成長してくれてよかった。
人生設計を狂わせてよかった。大きな決断をする為の、大きな勇気と自信を持てて良かった。その原動力であるやさしく背中を押してくれたテレパシーのような存在がいてくれてよかった。
家族がいたから苦しくなったところもあった。しかし、家族がいなければここまで来ることはできなかった。家族がいてくれたおかげで頑張ることができた。家族がいてくれたおかげでここまで来ることができた。そしてこれからも歩み続けることができる。まだ目の前の試験には合格していない。もしかすると不合格になるかもしれない。挑戦も終わることはない。
それでも、それだから、家族がいてくれて本当に良かった。